cpptrajでタンパク質周囲5Å以内にある水分子を抽出する
- AmberTools パッケージ に含まれる cpptraj で、特定の分子・残基から一定距離以上のものを削除する方法
手順
- 次のようなシェルスクリプトを書いて、適当な名前(例:
extract.sh
)で保存して、実行(sh extract.sh
)する
extract.sh
#!/bin/bash
module load amber/22u4
cmd="
parm ../topology.prmtop
trajin trajectory.mdcrd
reference reference.pdb
strip :Na+,Cl-
strip !(:1-541<:5.0)
trajout protein_water.pdb
"
echo "${cmd}" | cpptraj
スクリプトの解説
module load amber/22u4
- 分子研スパコン
の場合、
module
でAmberTools
を読み込む
- 分子研スパコン
の場合、
cmd="..."
の部分で、cpptraj
に渡すコマンドを定義parm ../topology.prmtop
- トポロジーファイル
topology.prmtop
を読み込む
- トポロジーファイル
trajin trajectory.mdcrd
- トラジェクトリファイル
trajectory.mdcrd
を読み込む
- トラジェクトリファイル
reference reference.pdb
- 距離計算の基準となる参照構造として
reference.pdb
を使う
- 距離計算の基準となる参照構造として
strip :Na+,Cl-
- ナトリウム(Na+)と塩化物(Cl-)イオンを除去する
strip !(:1-541<:5.0)
- タンパク質(例:1〜541番目の残基)から5Å以上の距離にあるすべての原子を除去する
- タンパク質とその周りの5Å以内にある水分子が残る
trajout protein_water.pdb
- 結果をPDBファイル
protein_water.pdb
に出力する
- 結果をPDBファイル
echo
コマンドでcmd
変数の内容を出力し、パイプ(|
)を使用してその出力をcpptraj
に渡して実行する