Newton-X New Series を分子研スパコンにインストールする

このノートでは、 Newton-X NS (New Series) を自然科学研究機構 岡崎共通研究施設 計算科学研究センター (通称「分子研スパコン」)にインストールする手順をまとめています。

前提条件

Newton-X NS のインストールは、基本的には INSTALL.md に記載された手順で行います。

必要条件
GCC バージョン 10 以上
Intel MKL などの数値計算ライブラリ
Meson Ninja のビルドツール

分子研スパコンには、GCC バージョン 10 以上と Intel MKL が導入済みで、これによるインストールの問題はありません。しかし、導入済みの Meson と Ninja のバージョンが古いため、インストールでエラーが発生しました。

インストール前の準備

ビルドツールのインストール

分子研スパコンに導入されている Meson と Ninja のバージョンが古いため、まずは Meson の最新版をローカル環境にインストールします。以下の手順で Conda により仮想環境を作成し、その中で Meson をインストールします。

conda create -n newtonx python=3.10
conda activate newtonx
pip install meson ninja

古いバージョンの Meson が優先される場合の対処

pip でインストール後、バージョンを確認します。

meson --version

表示されるバージョンが 0.58.2 の場合、システムに導入されている古いバージョンの方が優先されているため、環境変数 PATH を設定して、pipでインストールしたものを優先させるようにします。

export PATH=${HOME}/opt/miniconda3/envs/newtonx/bin:${PATH}

再度バージョンを確認します。

meson --version

GCC / MKL のロード

module コマンドで GCC と MKL をロードし、必要な環境変数を設定します。

module purge
module load gcc-toolset/13
module load mkl/2025.0

リポジトリのクローン

Newton-X NS を GitLab のリポジトリからクローンします。

cd ${HOME}/tmp
git clone https://gitlab.com/light-and-molecules/newtonx.git

Newton-X NS のインストール

準備が整ったら、 INSTALL.md に従いインストールを進めます。

cd ${HOME}/tmp/newtonx
export CC=gcc FC=gfortran NXHOME=${HOME}/app/newtonx
meson setup -Dprefix=${NXHOME} -Dlapack=mkl build
meson compile -C build -j 4
meson install -C build

インストール後、${NXHOME}/bin には nx_moldyn などの実行ファイルが配置され、${NXHOME}/share には examples ディレクトリがあります。

cioverlap のインストール

Newton-X NS インストール後は、cioverlap をインストールします。これは Newton-X NS のモジュールで、GitLab の リリースページ からダウンロードできます。

cd ${HOME}/tmp
wget https://gitlab.com/light-and-molecules/newtonx/-/jobs/4412149793/artifacts/file/cioverlap_exe.tar.gz
tar xvjf cioverlap_exe.tar.gz
cp cioverlap ${HOME}/app

参考文献

NewtonX
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